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 この度,安田進支部長の後任として,支部長に就任しました。微力ではありますが,関東支部の今後の発展のために尽力していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 今年に入ってから新型コロナウィルスの感染が急に話題となり,あれよあれよという間に世界中に感染が拡大し,わが国でも4月8日には首都圏などに緊急事態宣言が発出され,その後全国に緊急事態宣言が拡がり,大変なことになっています。人々の接触の機会を減らすことが感染の収束につながるということで,接触の機会を減らすために,外出の自粛,テレワークの実施などが行われ,教育の遅れや経済の停滞が生じ,生活の不安も生じています。会員の皆様におかれましても大変窮屈な生活を強いられているのではないかと懸念いたします。いかがお過ごしでしょうか。
 3月末には東京オリンピックの延期が決定されたほか,学会活動も様々な制約を受け,支部総会,本部総会の開催方法の変更,研究発表会の中止がすでに決定されていますが,この先もさまざまな活動に影響が出てくると思います。
 このような厳しい時期であり,今後もしばらくは厳しい時期が続くものと思いますが,学会として私たちができることをひとつずつ積み重ねていくことが重要であると考えています。そして,学会活動を通じて,新型ウィルスで疲弊してしまった社会の回復に向けて貢献していきたいと考えています。
 緊急事態宣言以降の社会の動きや私自身の活動を振り返って見てみますと,人々がいかに他者とのつながりで生きてきていたのかと改めて感じます。今回は,インターネットのおかげで,SNSなどを通じて人と人とのつながりが確保されたということを実感しています。テレワークや大学等でのオンライン授業の実現,インターネットを用いた会議などはいずれもインターネットの普及によるものですが,改めて,誰でもインターネットを用いて様々な人のつながりができることを実感させるものであり,またその利便性に気づかされたといえると思います。
 学会が学会として活動していくうえで重要な機能の一つに,研究集会での討論をはじめとする人々の交流があると思います。個々の研究は個別にするものの,その成果を広く知ってもらい,また,意見を交換することで次へのステップにつなげたり,多くの人がその成果を利用できるようになったりします。今回明らかとなったインターネットを用いた交流の可能性は大きく,今後の学会活動でも大いに活用することで活動の幅を広げることができるものと期待しています。
 関東支部は設立以来16年が経ちました。地盤工学会70年の歴史の中で支部としては最も若い支部です。それまで空白地区だった関東エリアの会員の活動を活発化させる目的で設立され,歴代支部長はじめ役員,多くの会員の皆様など支部活動を支えていただいてきた方々のご尽力で,関東支部にも歴史ができ,各県グループも独自性を持ちつつ活発に活動され,関東支部の持つ風土ができてきていると感じています。その風土は,楽しく活発に活動しようということであると思います。ぜひこの伝統を受け継ぎ,さらなる活動を広げ,支部会員相互のつながりを深めることのできるような支部運営をしていきたいと思っております。関東支部は,最大の会員数を誇る支部でもあり,本部のお膝元ということもありますので,私共の関東支部の活動が他の支部ひいては学会全体の活動に大きく影響することは必然と思います。私共の活動が学会全体にいい影響を与えられるようにしていきたいと思います。現在の新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が出されている現段階では,実際には多くの活動が制限されており,なかなか今年度の活動も開始しにくく,今後どう展開していくのかわからない状況ではありますが,今回の危機をばねにしていけるようにと考えております。
 人類は危機を乗り越えるたびに大きく変化してきているようです。今回の新型ウィルスの危機を乗り越えることで,社会が大きく変化し始めるものと思います。そのような中での学会活動となりますので,従前の伝統は守りつつも,新たな社会の要求にこたえられるような新規の活動にも取り組みたいと考えております。
 学会活動を前にもまして活発化させていくためには,支部会員の皆様からのご意見とご協力が不可欠です。皆様からの忌憚のないご意見と積極的なご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

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地盤工学会 関東支部長
 菊池 喜昭