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【無機系吸水性材料を用いた土の改質技術の利活用に関する研究委員会】

■趣旨:
  高含水比状態の建設汚泥や発生土のような泥土を処理する場合には、天日干しや加圧による脱水処理、あるいはセメントや石灰による固化処理などが用いられてきた。しかし時間やコスト、あるいはアルカリ化や重金属溶出などの課題がしばしば生じるため、吸水性材料を用いた改質処理の利用機会が増えている。吸水性材料とは、ペーパースラッジ灰系改質材のように土中に存在する自由水を物理的あるいは化学的に吸水するなどして拘束する機能を持つものである。泥土の搬出・運搬のハンドリング性向上を目的とするだけでなく、近年では吸水性材料で改質した土(吸水性改質土)を、ため池や河川堤改修・強,廃棄物処分場の延命化、湖沼生態系の環境修復・改善、などの目的で、“利用できるのであれば積極的に用したい”というニーズが高まってきている。
 しかしながら吸水性改質土を地盤構造物に適用する際には、 ①吸水性材料の吸水性能評価と合理的添加率の決定方法 ②設計における吸水性改質土の強度の考え方 ③吸水性改質 土の環境親和性・安全の評価手法 などの課題が現場で生じている。たとえば現場によっては改良土・安定処理土と同じc材として土質定数φ=0、c=qu/2が設計上みなされる場合があるが、これは吸水性改質土の強度の過小価となることが指摘されている。すなわち吸水性改質土では自由水が拘束され、液状の軟弱土が塑性体半固体状の良質土に改質されるため、固化体として「カチカチ」になるまで「固める」というアプローチがぐわいことが生じる。吸水性改質土を地盤構造物に合理的に活用するためには、従来の化処手法の違いを明確にし、土の特徴である締固め特性やコンシステンシー特性を組み込んだ改質効果の検討なが必要不可欠である。
 本研究委員会では、ペーパースラッジ灰のような焼却灰系改質材、石膏系改質材などを無機系吸水性材料として取り上げ、吸水性改質土を地盤構造物に利活用する際の課題解決を研究・実務の両面から行い、その成果を現場に還元することを目とする。

■活動期間
2020年7月~2023年3月予定

■委員会活動内容
 上記の趣旨目的のために広く産官学からの多様な意見・情報・専門知識を集める。石灰系改良材やセメント系固化材のよに化学的な水和固化で水分を拘束する場合と比較検討するとともに室内試験・原位置調査などを行い、吸水性改質土の物性価方法・設計の考え方などを盛り込んだ技術指針案の策定を検する。
 なお、本委員会では高分子系改質材などの有機系吸水材料については検討の対象外とする。

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■活動状況
会議名┃開催日┃議事録

2021年度(R3)

2020年度(R2)
第1回委員会┃ 9月8日(火)┃議事録icon_1r_48.png